このページでは、タイヤの安全性に関する調査や記事などをピックアップして紹介していきます。
「空気圧不足」がワースト1【自動車タイヤ新聞 2013年6月26日 第2389号】より
関連サイト ニュースヘッドライン(自動車タイヤ新聞6月26日付け 2389号)
「空気圧不足」がワースト1
さいたま市でのタイヤ点検結果
先週号で報じたように、さいたま市環境局は6月16日、イオン与野ショッピングセンターでタイヤ点検活動を実施した。
「タイヤチェックで燃費アップ!~未来のためにエコライフ~」と銘打たれたこの活動。埼玉県タイヤ商工協同組合をはじめ、JATMA関東支部、タイヤ販売会社など地元のタイヤ業界関係者が数多く参加し、タイヤ点検作業を行った。
6月17日、JATMA関東支部がまとめた当日の点検結果の内容は表の通り。タイヤの整備不良車両は、点検台数の半数を上回る結果を示した。整備不良の内訳では空気圧不足がもっとも多く、不良率は44.4%にも達した。
「タイヤチェックで燃費アップ!~未来のためにエコライフ~」と銘打たれたこの活動。埼玉県タイヤ商工協同組合をはじめ、JATMA関東支部、タイヤ販売会社など地元のタイヤ業界関係者が数多く参加し、タイヤ点検作業を行った。
6月17日、JATMA関東支部がまとめた当日の点検結果の内容は表の通り。タイヤの整備不良車両は、点検台数の半数を上回る結果を示した。整備不良の内訳では空気圧不足がもっとも多く、不良率は44.4%にも達した。
イオン与野タイヤ点検結果
車両 | ||
---|---|---|
タイヤ点検車両(台) | 27 | |
タイヤ整備不良車両(台) | 14 | |
不良率(%) | 51.9 | |
整備不良 の内訳(件) |
空気圧不足 | 12 |
偏摩耗 | 2 | |
空気圧過多 | 1 | |
外傷 | 1 | |
合計 | 16 |
転載元:(株)自動車春秋社発行の【自動車タイヤ新聞】2013年6月26日 第2389号
オレンジジャパン製TPMS(タイヤ空気圧監視システム)採用【自動車タイヤ新聞 2013年6月26日 第2389号】より
関連サイト ニュースヘッドライン(自動車タイヤ新聞6月26日付け 2389号)
オレンジジャパン製TPMS(タイヤ空気圧監視システム)採用
埼玉県タイヤ商工協同組合
全国タイヤ商工協同組合連合会傘下の各組合単位では、事業活動の一環として共同購入に取り組んでいる。また最近、TPMS(タイヤ空気圧監視システム)にフォーカスした研修会やセミナーを開催する単位組合も出てきている。
そのうちの一つ、埼玉県タイヤ商工協同組合(仁平誠一理事長)はこのほど、(株)オレンジ・ジャパンのTPMS製品を取り扱うことを決めた。
オレンジ・ジャパンは、TPMS製品「TPチェッカー」製造・販売と、TPMSのソリューションシステムを提供する企業。埼玉県タイヤ組合は今年4月11日、伊奈町でTPMSに関するセミナーを開催し、そのときの講師がオレンジ・ジャパンの水谷忠彦取締役営業本部長だった。
世界各国では既に、TPMS装着義務の取り組みが進められている。米国では2005年に、欧州では2012年に、韓国では2013年にそれぞれ法規化。中国では2011年から自主規制を開始した。ロシアでも2015年から法規化されるほか、インドネシアやマレーシア、トルコなど各国でも装着を義務付けることが決定している。
このような世界の趨勢に対し、日本でもかねて検討されてきたものの、法規化のめどは立っていない。しかし、法規化の有無にかかわらず、TPMS装着者が国内で輸入車を中心に増えつつあることも確か。
オレンジ・ジャパンはかねてからタイヤ販売店関係者をはじめ、運送事業者、SSなどにアプローチ。同社製品の導入、あるいは取り扱いを始めるケースが着実に増えてきたという。
タイヤとTPMSが密接な関係にあるのは周知の通り。業務で日頃からタイヤの装脱着に携わるタイヤ販売店関係者にとって、TPMS装着の取り扱いは、事業拡大に道を拓く大きなビジネスチャンスとなる可能性がある。
国内の自動車市場では、欧州車をはじめとする輸入車に加え、国産車でも高性能スポーツカーにTPMSが新車装着されるケースが徐々に増えつつある。それらの車の足回り整備を行うタイヤ販売店関係者は、TPMSに対する理解を深めておかなければならない。また、補修としての取り扱いや後付け装着についても対応を求められることは充分に考えられる。
このような観点から、埼玉県組合は組合事業活動としてTPMS製品の取り扱いを検討し、このほどオレンジ・ジャパンと契約を結んだものだ。全タ協連では初めて。なお、岡山県タイヤ商工協同組合(角南聰一郞理事長)でも同様の決定を行ったとしている。
そのうちの一つ、埼玉県タイヤ商工協同組合(仁平誠一理事長)はこのほど、(株)オレンジ・ジャパンのTPMS製品を取り扱うことを決めた。
オレンジ・ジャパンは、TPMS製品「TPチェッカー」製造・販売と、TPMSのソリューションシステムを提供する企業。埼玉県タイヤ組合は今年4月11日、伊奈町でTPMSに関するセミナーを開催し、そのときの講師がオレンジ・ジャパンの水谷忠彦取締役営業本部長だった。
世界各国では既に、TPMS装着義務の取り組みが進められている。米国では2005年に、欧州では2012年に、韓国では2013年にそれぞれ法規化。中国では2011年から自主規制を開始した。ロシアでも2015年から法規化されるほか、インドネシアやマレーシア、トルコなど各国でも装着を義務付けることが決定している。
このような世界の趨勢に対し、日本でもかねて検討されてきたものの、法規化のめどは立っていない。しかし、法規化の有無にかかわらず、TPMS装着者が国内で輸入車を中心に増えつつあることも確か。
オレンジ・ジャパンはかねてからタイヤ販売店関係者をはじめ、運送事業者、SSなどにアプローチ。同社製品の導入、あるいは取り扱いを始めるケースが着実に増えてきたという。
タイヤとTPMSが密接な関係にあるのは周知の通り。業務で日頃からタイヤの装脱着に携わるタイヤ販売店関係者にとって、TPMS装着の取り扱いは、事業拡大に道を拓く大きなビジネスチャンスとなる可能性がある。
国内の自動車市場では、欧州車をはじめとする輸入車に加え、国産車でも高性能スポーツカーにTPMSが新車装着されるケースが徐々に増えつつある。それらの車の足回り整備を行うタイヤ販売店関係者は、TPMSに対する理解を深めておかなければならない。また、補修としての取り扱いや後付け装着についても対応を求められることは充分に考えられる。
このような観点から、埼玉県組合は組合事業活動としてTPMS製品の取り扱いを検討し、このほどオレンジ・ジャパンと契約を結んだものだ。全タ協連では初めて。なお、岡山県タイヤ商工協同組合(角南聰一郞理事長)でも同様の決定を行ったとしている。
転載元:(株)自動車春秋社発行の【自動車タイヤ新聞】2013年6月26日 第2389号
事故の最大原因はタイヤ【自動車タイヤ新聞 2013年6月26日 第2389号】より
関連サイト ニュースヘッドライン(自動車タイヤ新聞6月26日付け 2389号)
事故の最大原因はタイヤ
事故データからみた点検整備の調査報告書
16日、埼玉県内のタイヤ業界関係者が数多く協力し実施されたイオン与野ショッピングセンターでのタイヤ点検。JATMA関東支部がまとめ公表した点検結果によると、タイヤの整備不良率は51.9%と極めて高い数値を示した。中でも空気圧不足の不良率が44.4%にも達し群を抜く。気象条件が雨だったため、点検車両数が少なかったことがその数値に影響したとは考えられる。しかし、そのことを割り引いたとしても、点検車両の半数にタイヤに何らかの整備不良があったという事実は重く見なければなるまい。環境と安全の両面で、タイヤは極めて重要なポジションを占めていることは、タイヤ業界関係者にとって周知の事実。しかし、それが社会一般に広く知れ渡っているかとなると、肯首することはできない。同点検の結果はそのことを良く表している。
では、そのタイヤの整備不良が交通事故にどれほど結びついているのだろうか。ITARDA(公益財団法人交通事故総合分析センター)が先にまとめた「交通事故データからみた自動車の点検整備に関する調査分析報告書(平成24年度)」に、そのことが詳細に述べられている。
この「報告書」は、クルマの点検整備の励行と自動車安全対策を図るための資料として、ITARDAが独自にまとめたものだ。
それによると、「事故発生に最も影響を与えた道路交通法上の違反」件数は、2012年の全自動車事故65万5千件のうち85件だった。02年と比較すると半減しており、ここ5年の推移を見ても現象傾向にある。
ただ、「整備不良要因別の事故件数」を見ると、「タイヤ不良」がワースト1位。次いで「制動装置不良」「車両不良」と続く。「タイヤ不良」と「車両不良」を合わせ「足回り不良」として見ると断トツの勢いだ。ITARDAによると、「タイヤ不良」は03年が71件と最も多く、その後04年から10年までは横ばい。11年からは減少傾向にある。
一方、「事故の発生に影響を与えた車両的要因が指摘された事故」、すなわち「整備不良によって起きた事故」の件数は、12年の全自動車事故65万5千件のうち764件。このうち、「タイヤ不良」は562件で、その構成比は全整備不良事故の73.6%。圧倒的に多い。過去5年間の推移を見ても、その傾向は変わらない。
ITARDAでは、「整備不良によって起きた事故」について、「クルマの使用経過」によってどのような傾向があるのか調べている。それによると、事故件数は「使用経過1年未満」から「2年未満」が増加していることが分かる。ただ、「タイヤ不良」は使用経過年に関係なく最も多い要因と指摘されている。
このように「整備不良によって起きた事故」は「タイヤ不良」が最多だが、その「不良の内容」はどのようなものなのか。ITARDAは①雪道での夏タイヤ、②パンク・バースト、③タイヤの摩耗、④タイヤの亀裂損傷、⑤その他──この5項目に分類し、過去5年間の推移をまとめた。また、それを「車種別」に細分化し、08年から12年の5年間合計件数として表した。
さらに、ITARDAは「タイヤ不良の事故」を各運輸支局別でも調査している。それから抜粋すると、08年から12年の5年間合計件数で最も多かったのは埼玉182件。次いで岐阜151件、愛知144件の順。保有台数100万台あたりの事故件数で見ると、岐阜18.15件が最多。次いで岡山11.29件、福井9.61件と続く。
これらのことから、タイヤの整備不良と交通事故は実に密接に結びついていると考察される。
では、そのタイヤの整備不良が交通事故にどれほど結びついているのだろうか。ITARDA(公益財団法人交通事故総合分析センター)が先にまとめた「交通事故データからみた自動車の点検整備に関する調査分析報告書(平成24年度)」に、そのことが詳細に述べられている。
この「報告書」は、クルマの点検整備の励行と自動車安全対策を図るための資料として、ITARDAが独自にまとめたものだ。
それによると、「事故発生に最も影響を与えた道路交通法上の違反」件数は、2012年の全自動車事故65万5千件のうち85件だった。02年と比較すると半減しており、ここ5年の推移を見ても現象傾向にある。
ただ、「整備不良要因別の事故件数」を見ると、「タイヤ不良」がワースト1位。次いで「制動装置不良」「車両不良」と続く。「タイヤ不良」と「車両不良」を合わせ「足回り不良」として見ると断トツの勢いだ。ITARDAによると、「タイヤ不良」は03年が71件と最も多く、その後04年から10年までは横ばい。11年からは減少傾向にある。
一方、「事故の発生に影響を与えた車両的要因が指摘された事故」、すなわち「整備不良によって起きた事故」の件数は、12年の全自動車事故65万5千件のうち764件。このうち、「タイヤ不良」は562件で、その構成比は全整備不良事故の73.6%。圧倒的に多い。過去5年間の推移を見ても、その傾向は変わらない。
ITARDAでは、「整備不良によって起きた事故」について、「クルマの使用経過」によってどのような傾向があるのか調べている。それによると、事故件数は「使用経過1年未満」から「2年未満」が増加していることが分かる。ただ、「タイヤ不良」は使用経過年に関係なく最も多い要因と指摘されている。
このように「整備不良によって起きた事故」は「タイヤ不良」が最多だが、その「不良の内容」はどのようなものなのか。ITARDAは①雪道での夏タイヤ、②パンク・バースト、③タイヤの摩耗、④タイヤの亀裂損傷、⑤その他──この5項目に分類し、過去5年間の推移をまとめた。また、それを「車種別」に細分化し、08年から12年の5年間合計件数として表した。
さらに、ITARDAは「タイヤ不良の事故」を各運輸支局別でも調査している。それから抜粋すると、08年から12年の5年間合計件数で最も多かったのは埼玉182件。次いで岐阜151件、愛知144件の順。保有台数100万台あたりの事故件数で見ると、岐阜18.15件が最多。次いで岡山11.29件、福井9.61件と続く。
これらのことから、タイヤの整備不良と交通事故は実に密接に結びついていると考察される。
整備不良要因別事故件数
年 | 不良事故 | 指数 | タイヤ不良 |
---|---|---|---|
02 | 178件 | 100 | 47件 |
07 | 138件 | 78 | 48件 |
08 | 111件 | 62 | 46件 |
09 | 102件 | 57 | 41件 |
10 | 95件 | 53 | 34件 |
11 | 85件 | 48 | 34件 |
車両的要因別の事故件数の過去5年間推移
年 | 車両的要因計 | 整備不良計 | タイヤ不良 | 構成率 |
---|---|---|---|---|
07 | 1,346件 | 678件 | 322件 | |
08 | 1,467件 | 847件 | 534件 | |
09 | 1,188件 | 623件 | 376件 | |
10 | 1,244件 | 741件 | 493件 | |
11 | 1,301件 | 764件 | 562件 | 62.6% |
計 | 6,546件 | 3,653件 | 2,287件 |
使用経過年別整備不良事故件数
整備不良計 | タイヤ不良 | |
---|---|---|
1年未満 | 46件 | 19件 |
~2年未満 | 154件 | 106件 |
~3年未満 | 210件 | 144件 |
~4年未満 | 202件 | 131件 |
~5年未満 | 196件 | 131件 |
~6年未満 | 211件 | 134件 |
~7年未満 | 218件 | 150件 |
~8年未満 | 194件 | 123件 |
~9年未満 | 214件 | 132件 |
~10年未満 | 234件 | 161件 |
~11年未満 | 205件 | 138件 |
~12年未満 | 236件 | 163件 |
~13年未満 | 231件 | 147件 |
~14年未満 | 180件 | 108件 |
~15年未満 | 149件 | 91件 |
~15年以上 | 328件 | 192件 |
不明 | 445件 | 217件 |
合計 | 3,653件 | 2,287件 |
タイヤ整備不良の要因別事故件数
年 | ① | ② | 摩耗 | 亀裂損傷 | その他 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
07 | 120 | 108 | 40 | 12 | 42 | 322 |
08 | 337 | 106 | 43 | 5 | 43 | 534 |
09 | 195 | 85 | 45 | 14 | 37 | 376 |
10 | 317 | 102 | 40 | 6 | 28 | 493 |
11 | 384 | 94 | 38 | 10 | 36 | 562 |
計 | 1,353 | 495 | 206 | 47 | 186 | 2,287 |
①は「雪道での夏タイヤ」、②は「パンク・バースト」
タイヤ整備不良の車種別・要因別事故件数
① | ② | 摩耗 | 亀裂損傷 | その他 | 合計 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
乗用車 | 普通 | 841 | 146 | 116 | 19 | 83 | 1,205 |
軽 | 270 | 76 | 25 | 4 | 22 | 397 | |
バス | 5 | 2 | 1 | 0 | 1 | 9 | |
ミニカー | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | |
貨物車 | 普通 | 69 | 73 | 23 | 8 | 23 | 196 |
軽 | 119 | 50 | 13 | 6 | 17 | 205 | |
中型 | 20 | 11 | 5 | 0 | 4 | 40 | |
大型 | 7 | 17 | 3 | 1 | 5 | 33 | |
トレーラ | 2 | 4 | 1 | 2 | 0 | 9 | |
特殊車 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | |
二輪車 | 20 | 115 | 19 | 7 | 30 | 191 | |
合計 | 1,353 | 495 | 206 | 47 | 186 | 2,287 |
①は「雪道での夏タイヤ」、②は「パンク・バースト」
転載元:(株)自動車春秋社発行の【自動車タイヤ新聞】2013年6月26日 第2389号